「女性らしく」ホルモンのエステ作用

女性ホルモンと男性ホルモンと美容

女性ホルモンと男性ホルモンは性腺ホルモンの一種で、ステロイド系ホルモンです。女性ホルモン、男性ホルモンと言う名前の通り、それぞれ女性らしさ、男性らしさの特徴をもたらすホルモンです。しかし実は、男性も女性ホルモンを、女性も男性ホルモンを、どちらも両方のホルモンを微量ですが持っています。性的な働きや特徴以外の、その働きや効果を知って、ホルモンと上手に付き合っていきましょう。

「ホルモンとは」

ホルモンは身体の成長や、健康、毎日の生活の中で体内から私たちを支えてくれています。たったティースプーン１杯ほどの非常に少ない量で、大きな効果を発揮するホルモン。体内には１００種類以上のホルモンが働いてくれていますが、まだ発見されていないホルモンもあるらしいです。

ホルモンは全身のいたるところで作られています。内分泌腺という特殊な細胞でホルモンが作られ、血液に乗って流れて遠く離れた標的となる細胞に到達して、そこで働いたり、作られた場所のすぐ隣にある細胞、または作られた細胞そのものに働いたりします。

加齢に伴う変化として、さまざまなホルモンの分泌量変化があります。年齢を重ねることにより分泌量が変化するホルモンとして広く知られているのが、成長ホルモンです。

同じように、男性ホルモンと女性ホルモンも、加齢により減少する代表的なホルモンです。男性ホルモン、女性ホルモンの分泌量が減少することによって、身体的に大きな影響を及ぼします。例えば、男性ホルモンが低下すると、性機能低下や筋力の低下などが見られるようになります。一方の女性ホルモンでは、体への影響としていわゆる「自律神経失調症」があり、ほてり、のぼせ、動悸、めまい、といった症状がよくおきるようになります。また、女性ホルモンは骨形成にも関係しているため、骨量の低下から骨粗鬆症を引き起こすことがあります。

「女性ホルモンの働き」

まず、女性ホルモンには２種類あり、その働きは全く違います。

女性ホルモンには「妊娠・出産の機能、そのためのカラダ作り」という役割をもっています。エストロゲンは「妊娠の準備」、「女性らしいカラダ作り」、プロゲステロンは「妊娠の維持」といった役割を持っています。

そして、この２種類の女性ホルモンは毎月の月経サイクルによって分泌量が大きく変化しています。ごくわずかなホルモン量で作用しているため、ちょっとしたバランスの乱れがPMS(月経前症候群)や月経不順など、さまざまな不調につながることもあります。

「男性ホルモンの働き」

男性ホルモンはアンドロゲンとも呼ばれています。

男性ホルモンは男らしい特徴作りだけでなく、筋肉の増大や骨格の発達という体作りの役割ももっています。だから一般的に男性の方が女性よりも筋力が多く力強いのです。

男性の体では、副腎からの分泌とテストステロンの一部がエストロゲンに変化しています。この少量のエストロゲンが男性においても結合組織である血管やコラーゲン、そして骨量の維持などに大きな役割をはたしてくれています。

女性の体でも副腎や卵巣から少量のテストステロンが分泌されています。このテストステロンの働きによって筋肉や骨格の発達や、男性的なポジティブ思考や集中力、やる気が起こると言われています。

「性ホルモンと毛の関係」

体毛には男性ホルモンの働きが大きく影響しています。女性でも男性ホルモンの分泌が多くなると体毛が濃くなる場合があります。

◆体毛の種類は、男性毛、両性毛、無性毛の三種類があります。

男性毛の体毛箇所は、男女ともに脱毛サロンで人気の高い部位が多いかもしれません。

脱毛症の男性はヨーロッパに多く、東アジアや東南アジアでは少ないとされています。薄毛率が特に比較的低い日本や韓国では、薄毛の人に対して昔から軽蔑するような風潮があります。ですので、カツラ業界や育毛剤産業などが盛んに宣伝するようになりました。しかしながら、日本皮膚科学会では「育毛を掲げたヘアサロンの行き過ぎた行為、発毛に関する誇大な広告、人工毛植毛によるトラブル。こういった案件に対して医療者向けにエビデンス（医学的根拠）を提供したいと考えた。」として男性型脱毛症診療ガイドラインを策定しています。「対象とした成分や施術は科学的な検証材料があった。むしろこれに該当しなかった育毛剤や育毛サロンなどは科学的な根拠がないということ。」などと指摘しています。

男性型脱毛症の原因と言われている「ジヒドロテストステロン」は、テストステロンに還元酵素の5αリダクターゼが結合することで作られるホルモンです。髪は毛母細胞の分裂によって成長しますが、ジヒドロテストステロンは毛母細胞を委縮して働きを低下させてしまうため、薄毛に悩む方にとっては厄介なものです。ジヒドロテストステロンの生成を抑制することで、薄毛予防や改善につながります。

女性の薄毛はFAGAと言われており、男性型脱毛症のように局所的な脱毛ではなく、頭部全体が薄くなる特徴があります。主に４０〜５０代ごろに起こることが多いとされていますが、まれに２０代でも起こる場合があり個人差があります。FAGAの原因は、男性型脱毛症と同じようにホルモンによる影響だと考えられていますが、はっきりと特定はされていません。ホルモンバランスの乱れの他に、鉄欠乏や過度なダイエットによる栄養不足、生活習慣やストレス、経口避妊薬（ピル）の影響も考えられます。

また女性は、男性ホルモンの影響により体毛が濃くなる場合があります。それは男性毛であるヒゲ、胸毛、背中、お腹の毛、手足の硬い毛などがなんらかの影響でホルモンバランスが崩れ男性ホルモンが優位になると起こる現象です。

男性ホルモンが多く分泌される原因

長くストレスを抱えていると自律神経のバランスが崩れてしまい、男性ホルモンの分泌が増えて男性ホルモンが優位に立ちます。また、赤身肉などに含まれている動物性たんぱく質は男性ホルモンを増加させる栄養素です。野菜や魚をあまり食べず、お肉中心の食生活は控えましょう。男性ホルモンの分泌が最も活発にあるのは深夜だと言われています。この時間帯にしっかり寝て過剰な分泌を控える事が大切です。

「まとめ」

男性ホルモン、女性ホルモンは男女ともに影響を及ぼす大事なホルモンです。微量で大きな力を持っていますから、バランスが崩れないように健康的な生活を送るよう心がけましょう！